海中探査機へ貼り付ける超耐候性銘板ラベル
時に水深100mを超す深海での作業を伴う海中工事。今回はその海中作業を行う設備へ貼り付けるラベルのご依頼を頂きました。
一見、拍子抜けするほど普通のラベルに見えるのですが…実は非常に特殊な構造になっている一枚です。
ご相談頂いたポイントは
・金属銘板をボルトで留める作業性の簡便化
・設備を分解して保管するため、部品管理情報を記入したい
・海中作業が終了後は陸上にて屋外保管
・最低1年間の剥がれ無きこと
というラベルにとっては非常に過酷な条件。
そこで当社がご提案した材料構成仕様がコチラ。
これがシールの積層断面イメージになります。
緑の不織布芯材両面テープは凹凸面に対してガッチリ接着する役割。通常のシールでは糊の厚みが足りずに凹凸面に糊が食いつかないので、不織布に粘着剤がたっぷり染み込んだ両面テープで凹凸面に海水が入り込まないようにグリップさせます。
シールの基材となるオレフィンフィルムは、しなやかに追従する柔らかい素材。反発性が無く、両面テープの密着を阻害しない材料で、かつタフな使用環境にも耐えられる材料を選定しました。
ラミネートフィルムは、海洋ゴミなどの浮遊物や生物との擦過で表面が擦れても、超耐候ハードコート層によってキズによる白濁化が発生しにくい材料を。
このフィルムは紫外線カット効果もあるので(UV99%カット)、屋外保管時の強力な直射日光や雨風からもしっかりシールをガードしてくれるスグレモノです。
右の文字がグレーになっている部分はラミネートの剥離紙を残してあり、必要記入事項を手書きした上から手貼りでラミネート出来るハーフラミネートという仕様にしました。
めくった状態で情報を書き込んだ後に、ラミネートフィルムの剥離紙を剥がして貼り合わせることで情報面を保護します。
そして完成したラベルを貼り合わせた姿がコチラ。
塗装面の激しい凹凸にもしっかり追従して貼り付いてくれました。テストとして貼りつけてみたものの、いざ剥がそうとするとビクともしない。全力で剥がしにかかると、塗装の脆くなった部分は割れて剥がれ落ち、両面テープの不織布も引きちぎれながら剥がれるほど(くっついたまま裂けたという方が正確かもしれません)。
永久接着が理想なので、お客様にもご安心頂き無事納品。これからこのラベルが世界の海底工事の現場に出掛けていくと思うと何だかワクワクしてきます。
今回の開発製品については海水環境での負荷試験データをどの材料メーカーも持っていない中、お客様とのサンプル負荷試験、仕様検討、製造プロセス開発を行う非常に有意義なものでした。
今後も当社は、ラベル印刷の専門家としてお客様のラベルにまつわる様々な課題を解決して参りたいと思います。
【このシールの構成スペック】
− 原紙 −
日榮新化株式会社 エコセラタフ白 SK(シール基材)
日榮新化株式会社 ウルトラ50(超耐候ハードコートラミネート)
日榮新化株式会社 NT808−WF(不織布芯材両面テープ)
− インキ −
株式会社T&K TOKA UV161 ハイコンクブラック
− 抜き型 −
有限会社日伸製作所 チタン刃
印刷会社としての色味や強度など、できて当然のことは当たり前に守りつつ、さらにニッチな部分でお客様のご要望にお応えし続けています。
当社のオフセット印刷は、すべての点を滲み潰すことなく印刷しており、実績としてセキュリティ用マイクロ文字や0.1mmの線を
0.1mm間隔で印刷した事例もございます。
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Flow
一般的なシール印刷は勿論のこと、SP用途のアテンションシールや豪華な素材のシールまで何でもご提案可能です。
勿論、アイデアベースのご相談も大歓迎です。いいもの、一緒に作りましょう。
エイコー印刷の営業部は全員、製造経験者。
お客様の些細な疑問にも的確に答え、提案します。
当社の色校正は基本的に実機校正となります。
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